正夢、誤夢
きっと、世間一般の人は、やめたいと思ったらやめれると思っているのだろう。タバコしかり、飲酒しかり。やめられないのは意志の弱さだ、と。
確かにそれも一理あるかもしれない。

だが、人間の欲求、しかも睡眠欲となれば話は別だ。いくら意志の強い人とはいえ、この先一生寝ないで過ごすのは、不可能だろう。
必要最低限の睡眠で生きていくことも可能かもしれない。だが、そんな生活いつかボロがでる。

仮に、より良い眠りを遅れるベッドやら枕やら、そういった類いのものなら良いだろう。だが、この商品はどうだ。
消費者の欲につけこみ、安眠を妨害しているだけではないか。

自分にとって都合のいい夢、そんなものを求める人間ほど、現実世界に不満がある人間だ。1度、たった1度でも自分のコントロールでそんな夢を見ることが、もう逃げられやしないじゃないか。
現実とのギャップにさらに嫌気がさし、現実を改善するのではなく、夢に逃げてしまう。
そうなったらもうその負のサイクルからは逃げられやしない。

さらには、夢だけではなく、現実までコントロールしようと…




(…なんて、考えすぎかな。)


佐奈は頭こそ良くないが、状況を理解し、その状況で最も良い選択肢を選ぶ能力には長けている。いや、長けているというより、無意識にその選択肢を瞬時に選んでいるのだ。




そして今回もまた。
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