ニートを引きずり出せ!!

｢山田君、今日は何で遅刻したんだい??毎回、遅れた理由を聞くのは面倒臭いのだが、聞かないと僕が富澤君に怒られてしまうからね。」

富澤はデスクに向かい書類を黙々と整理しているが、ボールペンを持つ手がプルプルと震えていた。
そして、富澤の背中から黒い殺意のオーラが漂っていた。

その事を知っているのかいないのか山田は遅刻の理由を淡々と答えた。

｢いや〜、昨日、あゆたんが出ている『アイドル★プールの中で暴れん坊』を夜通し見てたら朝になってしまいまして………へへへ。」

山田は鼻を指で擦りながら笑った。

｢山田君、うちの暴れん坊アイドルがそろそろが暴れだすよ、逃げなさい。」

富澤は0,1秒で山田の背後に立ち、0,5秒で山田のウエストを掴み左側のソファーに投げ、15秒でマウンドポジションを取り、30秒間の間に山田の頬を10発殴った。

約40秒間の出来事だった。

｢今度、そんな理由で遅れたら殺す。あと、アイドルの名前の語尾に***タンって付けても殺す。」

山田は既に瀕死状態で体がピクピクと痙攣しており、まるで、陸上で跳ねる新鮮な海老のようだ。

武田はソファーで海老状態になっている山田にそっとタオルケットを掛けてあげた。

富澤は再び自分のデスクに戻り、書類の整理を始めた。

｢相変わらず、富澤君のコンボは凄まじいね。まるで、ナ〇ッ〇星人みたいだね。」

武田は富澤に向かって親指を立てた。

｢私の肌は緑色じゃないですし、触覚もありません。あと、その綺麗な親指を折りますよ。」

そんな危ないやり取りをしてる時に呼び鈴のベルの音が鳴った。

｢おっと、依頼人の登場だな。」