ニートを引きずり出せ!!
依頼人の須藤好美が座っている応接室のテーブルの前に富澤が粗茶を置いた。

「依頼人の須藤好美さん、ご本人ですか??」

武田の質問に依頼人の須藤好美は「はい」と一言返事した。

「息子が三年前に突然仕事を辞めてしまいまして、それから仕事を辞めて一年が過ぎた時から部屋に籠りきりで二年間も部屋から出て来ないんですよ。」

依頼人の須藤好美は疲れきった表情を覗かせながら武田を見つめた。

「理由というか息子さんが部屋に籠ってしまった経緯は解りますか??」

武田の隣に座っている富澤が依頼人の須藤好美に質問を投げ掛けた。

どうやら、依頼人の須藤好美も息子が籠ってしまった理由が解らないらしい。

武田は顎に手を当てながら考えたが資料が少なすぎるため、直接、息子の須藤慎二に会うことにした。

「明日、ご自宅にお邪魔してもよろしいですか??」

依頼人の須藤好美は武田の申し出に一言「はい」と返事を武田に返した。

それから、依頼人の須藤好美は武田と富澤に深くお辞儀をして事務所を後にした。

「いやぁ、依頼人の須藤好美さんは随分と疲れきった顔をしていたな。」

苦笑気味で武田は笑った。
富澤も武田を見ながら「そうですね」と苦笑した。

そして、ソファーで永眠していた山田がムクッと立ち上がり、富澤に向かって抱きついた。

「あゆタン〜、君のその豊満な谷間に顔を埋めたいのですが、よろしいですかぁ〜」

富澤は山田の頬にエルボーをかまし、山田が倒れる瞬間に後ろ回し蹴りをお見舞いした。

再び山田はソファーの上で静かに永眠した。

「君たちは、違う職業をした方がいいんじゃないかと僕は思うよ。」

富澤は武田を見て、再び苦笑いした。
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