キミ色に染められて
lesson11
激雨
頭ではわかっているが、体がついてきてくれない。
地面は水玉模様からコンクリート全てが一色に変化していた。
充分時間があったはず。
だが、俺は未だに家に帰る事もせずにフラフラ歩いていた。
こんな雨の中、歩いている人はいない。それも傘をささないで…。
これが梅雨の雨なら、多少濡れても湿っぽいですんだかもしれない。
でも今は10月も半ば。
雨に濡れば、当然体温も奪われるに決まっている。
『はは、何やってんだろ。こんなんじゃ、今日は無理かな…。』
そう独り言を呟いた。そのとき…