キミ色に染められて
恵みの雨
俺は今、バスルームにいる。
勿論、自分ん家のではない。
可愛い生徒のお誘いに首を縦に振ったからだ。
道中、傘をささなかった。いや、させなかった。
リンの右手には買い物袋。反対の手は俺の左手。握るというか、リンの中指と人差し指を俺が掴むという形だったけど。
俺たちは無言で歩いた。
お喋りでないリンに対して、お喋りな俺。
冷たい雨が視界を歪ませた。
けれど、繋がっている部分はほんのり温かった。