初雪の日の愛しい人[短編]
「…してんのかな?わかんないや」
「どうしてワカラナイ?」
「いや…なんか、疲れちゃって」
「どうして?」
「浮気ばっかするんだもん、あたしの彼氏」
…あいつからすればあたしは彼女でもなんでもないのかもしれないけど。
だけどあたしにとっての彼氏は、やっぱりあいつで。
自分自身に対して確認するように口に出した言葉に、彼女は頷いた。
「でもすきなのね?」
「――うん、そうだね。好き」
初対面の人に何を喋っちゃってるんだろう。
…だけど、きっと初対面だから話せるのだ。
あたしの苦悩も、涙も何も知らない彼女だから。
ただ、感情を素直に言葉に出来る。
…たぶん、そう。深い意味なんて――ない、はず。
「なんか、ワカる」
「あんたも恋、してるの?」
聞いてみると、彼女はとても女の子らしく笑った。
「ウン!ダイスキな人いる」
「…どんなひと?」
「ワタシを、いつもまもってくれた人。だけどナキムシで、ブキヨウだから見ててときどきツラクなるよ」
「…へえ」
まるであたしみたいだね、といおうとして、何故かはわからないけど言えなかった。
…この目を細める優しい表情、やっぱり見たことがある気がする。
確か、随分前に――。
「どうしてワカラナイ?」
「いや…なんか、疲れちゃって」
「どうして?」
「浮気ばっかするんだもん、あたしの彼氏」
…あいつからすればあたしは彼女でもなんでもないのかもしれないけど。
だけどあたしにとっての彼氏は、やっぱりあいつで。
自分自身に対して確認するように口に出した言葉に、彼女は頷いた。
「でもすきなのね?」
「――うん、そうだね。好き」
初対面の人に何を喋っちゃってるんだろう。
…だけど、きっと初対面だから話せるのだ。
あたしの苦悩も、涙も何も知らない彼女だから。
ただ、感情を素直に言葉に出来る。
…たぶん、そう。深い意味なんて――ない、はず。
「なんか、ワカる」
「あんたも恋、してるの?」
聞いてみると、彼女はとても女の子らしく笑った。
「ウン!ダイスキな人いる」
「…どんなひと?」
「ワタシを、いつもまもってくれた人。だけどナキムシで、ブキヨウだから見ててときどきツラクなるよ」
「…へえ」
まるであたしみたいだね、といおうとして、何故かはわからないけど言えなかった。
…この目を細める優しい表情、やっぱり見たことがある気がする。
確か、随分前に――。