現実アクションゲーム
「お前……こいつに、何したんだよ」


蓮が眼帯の男に聞く。


「切られたから、切り返した。正当防衛だ」


眼帯の男はゆっくりと剣を腰にしまいながら答えた。


「こいつ……死んでんのか?」


今度は、健二が眼帯の男に聞いた。


「ああ」


タメ息交じりに眼帯の男が言う。


「血、何で出てねぇんだよ?切ったんじゃねぇのかよ?」


再び健二が聞く。


「そいつの頭上を見ろ」


その眼帯の男の言葉に、蓮と健二はモヒカン男の頭上を見た。


数字が、ゼロになっている。


「ゼロ?」


わけがわからず、蓮が呟く。


「お前ら、説明聞いただろ。HPがゼロになると、死亡。そいつは、HPがゼロになった。だから、死んだ」


眼帯の男の言葉が理解できない蓮と健二。


ゼロになったら、死ぬ?そんなバカな話、あるか……


でも、現実に、目の前で人が死んでいる。


その光景に、蓮の足がすくむ。


「お、俺……上城、蓮だ。お前も名前、言えよ」


「藤原拓馬」


眼帯の男は蓮を見ると、ボソッと言った。
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