現実アクションゲーム
「どういうことだよ、ゼロになったら死ぬって……」


蓮が聞く。その蓮の後ろで、健二がモヒカン男の頬をペチペチと叩いている。


「ここはゲームの中の世界だ。HPが、俺たちの命。それが無くなれば、死ぬのは当たり前だろうが」


「ハハハハ。何言ってんだ、お前」


思わず吹き出す蓮。


ゲームの中?こいつ、バカか……


そのとき、一人の男が蓮と拓馬の傍に寄って来た。


「そろそろ行くぞ、拓馬」


その男の言葉に、拓馬は頷くと蓮に背を向けて歩き出した。


「ちょっと待てよ!」


それを、蓮が呼び止める。


「何だ?」


振り返り、拓馬が言う。


「お前、こんな状況で、何でそんな落ち着いてんだよ?」


その蓮の言葉に、拓馬は微笑むと答えた。


「俺は……前回のゲームで学んだ」


その拓馬の言葉が、理解できない蓮。


ただのバカか……意味不明。


拓馬は再び蓮に背を向けると、行ってしまった。


「おい、蓮。こいつ、ホントに死んでやがる……」


健二がビクビクしながら蓮に言う。
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