現実アクションゲーム
……つくづくカッコ悪ぃな、俺。いちいち落ち込んだり、ビビッたり……。


そうだ。諦めるイコール、死だ。


ここで絶望に暮れてる奴は、救いようもないバカだ。


そんなことをしてる暇があったら、ちょっとでも歩け、俺!


時間はまだ6分ちょっとある。


無理かどうかは、行ってみないとわからない。


そのとき、急に立ち止まる蓮。


「……ん?」


「どうしたの、蓮君?」


不思議に思って聞いてきた二葉の言葉も届かないほど、蓮は嬉しかった。


足元にある、異変に気づく。


「マジかよ……」


自然と笑いがこみ上げる。


靴の跡だ。


床がキレイすぎて、蓮と二葉が歩いた靴の跡が微かだが、残っている。


これを頼って、まだ行ってない道に行けばいい。


「……」


無言で再び歩き出す蓮。わけがわからず、二葉が続く。


そうだ。俺のプレイヤーは、攻略本を持っているんだ……絶対、突破口は見つかる!


今は、プレイヤーがいることを信じたかった。それだけが、蓮の足を動かした。


残り時間が3分になったとき、見つけた。


「何だ、あれ……」


前方に、行き止まりが見える。


だが、ただの行き止まりではない。壁に、緑色のスイッチがある。


スイッチに近づく二人。スイッチの大きさは手のひら程のサイズで、白色の字で『ゴール』と書いていた。


「やった!」


嬉しくなる二人。


見つかった……スタート地点から、たった3分程で……


さっそくスイッチを押す蓮。カチッと言う音が鳴り響いた。
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