現実アクションゲーム
真実
気がつくと、蓮と拓馬は街にいた。


ここは、見覚えがある。


目の前には、スクランブル交差点。


渋谷だ。ハチ公前。


蓮と二葉は座っていて、二葉は蓮にもたれかかったようになっている。まるで、眠っているようだ。拓馬は、二人の前に立っている。


通行人から見れば、何の変哲もない友達同士の三人だった。


「蓮」


拓馬は、復活草を蓮に差し出した。本当に、くれるみたいだ。


さっそく、二葉に飲ませる蓮。


その瞬間、二葉は生き返った。


「あれっ、ここは……?」


キョロキョロと辺りを見渡す二葉。


「終わったんだ」


満面の笑みで言う蓮。その表情を見て、二葉も笑顔になった。


「クリアしたの?」


涙声で二葉が蓮に聞く。


「あぁ」


蓮の返事と同時に、二葉が蓮を座ったまま抱きしめた。


その二葉の背中に、そっと手を添える蓮。


ずっとこうしていたいが、確かめることが一つある。


「二葉」


蓮が声を掛けると、二葉は蓮の瞳を見つめた。


「うん?」


「俺に……異変はないか?」


笑顔で聞く蓮。


「どういう意味?」


「ゲームの中でさ、お婆さんに出会ったろ?あのときみたいな、感覚。俺や拓馬に、ないか?」


ドキドキしながら答えを待つ蓮。


これだけヒントを与えているんだ。


頼む、二葉……答えてくれ。
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