現実アクションゲーム
「ありがとう、蓮君。早く行って」


その瞬間、ガイコツが二葉目掛けて剣を振り下ろした。


ガン！


鈍い音と共に、二葉の頭上のＨＰが５０に減った。


泣きながら、ただ恐怖に耐える二葉。


「くそ……くそ！」


歯をくいしばる蓮。再び、ガイコツが無抵抗の二葉に剣を掲げた。


勢いよく振り下ろすガイコツ。


キン！


「……え？」


剣と剣が交わるような音に、二葉は顔を上げた。


蓮が、二葉のレンガに戻りガイコツの剣を止めた。


「蓮君……」


涙目でガイコツを見る蓮。正直言って、怖すぎる。


「自分でも、何やってんのかわかんねぇ……」


呟く蓮。


この俺が、こんな初めて会った女を助けるためだけに、戻るなんて……


蓮は剣を構え直すと、ガイコツにニヤリと微笑んだ。


「お、オラ……来いよ」


その蓮のセリフは、震えてほとんど言葉にならなかった。


その瞬間、ガイコツの剣が、蓮の腹部を鋭く切り裂く。


「ああああ！」


それを無視して、蓮は勢いよくガイコツに体当たりした。


ガイコツは体勢を崩すと、レンガから落ちて闇の底へと消えていった。
< 20 / 132 >
表紙・目次

この作品をシェア

pagetop