現実アクションゲーム
「はぁ、はぁ……」


剣を腰にしまいながら、激しく呼吸する蓮。


切られたところを見るが、やはり切れてはいない。


頭上を見ると、二葉と同じようにHPが50に減っていた。


とにかく、助かった……


「蓮君……ありがとう……」


泣きながら、蓮に抱きつく二葉。嫌な気はしなかった。


「戻ろっか」


二葉に優しく声を掛ける蓮。その言葉に、笑顔を見せる二葉。


「ううん。進もう」


その以外な二葉の言葉に、驚く蓮。


「え?だって、お前……渡れんのかよ?」


蓮自身も、もう向こう側のレンガには渡りたくなかった。


怖い……それに、もう戻ってもガイコツはいない。今なら、戻れる。


「わからないけど……ほら」


二葉が、向こう岸を指差す。その方向を見る蓮。


「……ん?」


さっきまでは慌てていて確認できなかったが、何やら小さい家のようなものが見える。


「私の直感だけど……戻っても、何もない気がする。あそこに行ってみよう」


「いいけど……お前、跳べねぇんだろ?」


「跳んでみる」


さっきと別人のように、二葉の表情が生き生きとしている。蓮の勇気に、心を打たれたようだ。


「わかった。行こう」


先に、蓮が跳ぶ。


震えはしたが、一回目に跳んだときほど、恐怖はなかった。
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