現実アクションゲーム
「俺から、行く」


蓮はそう言った瞬間、勢いに任せて跳んだ。


崩れない……絶対、崩れない……崩れないはずだ!


ダン!


見事に、レンガに着地した蓮。着地と同時に、大きな安心感が身を包む。


「よかった……」


その場に座り込む蓮。二葉も、すぐに蓮の乗っているレンガに跳び移った。


あと、レンガは3個……これさえ乗り切れば、向こう岸に着く。もう、目と鼻の先だ。


蓮はポケットからタバコを取り出すと、次のレンガに投げた。


パスッ!


レンガの上に見事に着地するタバコ。


「大丈夫そうだな」


わかっていても、なかなか跳べない。もし崩れたらと思うと、毎回覚悟を決める必要がある。


そのとき、二葉が先に跳んだ。


タンッ!


軽快に着地する二葉。


「おい、お前……」


「蓮君、早く」


二葉はタバコを拾い上げ、次のレンガへと投げた。


次のレンガも崩れることはなく、タバコはレンガの上に着地した。


続いて、次のレンガへと跳び移る二葉。


「あいつ、何であんなにサクサク行けんだよ……」


蓮も二葉に続く。


結局レンガはそれ以降、一つも崩れることはなかった。


二人は渡りきった途端、その場に崩れるように寝転がった。
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