現実アクションゲーム
「これ……何だろうな」


HPを指差し、蓮が呟く。


「わかんないけど……ここってさ……ホントに、ゲームの世界なのかな?」


「え?ハハハハ、そんなわけねぇだろ」


「だって、おかしくない?このHPは、どうやって表示されてるの?」


「え?」


「何で、切られても血、出ないの?」


「それは……」


「さっきのレンガ……どうやって、浮いてるの?」


「……」


言われてみれば、不思議なことが多い。


さっきのガイコツも、どうやって動いていたのか……


崩れるレンガ、HP……


まるで、ゲームの世界だ。まさか……いや、そんな非現実的なこと、起こるはずがない……


「そう言えばさ……蓮君」


「何だよ?」


「さっきさ、何で、携帯電話投げたの?」


「え?何が?だって、ああしないと……」


「タバコがあるなら、先にタバコを投げるんじゃない、普通?」


「バカヤロ、ここは圏外だよ。タバコは吸えるから使い道あるけど、携帯は持っててもしょうがねぇだろうが」


「もしかしたらさ、ちょっと歩いたら、電波が届くかもしれないじゃない?」


「……え?」
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