現実アクションゲーム
蓮は高校を卒業してからずっと、彼女がいなかった。


蓮は比較的に格好の良い顔立ちをしているのだが、理想が高すぎて女性と付き合えないでいた。


中学や高校の頃は、まだ良かった。武道をしているからケンカは強く、オマケにカッコイイとなれば、それ相応の女性とも付き合えた。


が、今のニートの蓮にそんな良い女性が寄って来るはずもない。


これは、神様が俺に与えてくれたチャンスだな……


蓮は電車を降りると、さっそく携帯電話を取り出しホームで急いで紙切れの番号を押した。


プルルル、プルルル……


「はい、佐藤です」


その声に、蓮のテンションはさらに上がった。


さっきの、香里さんの声だ……


「あ、もしもし。上城ですけど」


ニヤニヤと返事をする連。


「びっくりしましたよ。何で、俺の名前、知ってんの?」


楽しそうに聞く蓮。それとは裏腹に、香里からは冷酷な声が返ってきた。


「上城蓮様。ご参加、ありがとうございます。では、行ってらっしゃいませ」


そのわけのわからない香里の言葉に、蓮は困惑した。


「え?何が?」


そう聞き返した瞬間、蓮の目の前は真っ白になった。
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