現実アクションゲーム
「やっぱり、ゲームの中なんだよ、ここ……」


「何言ってんだよ、そんなわけねぇだろ」


苦笑いで否定する蓮。否定したかった。


「連君……お婆さん、家の中から出てきたんだよね……」


「え?ああ」


「でも蓮君、入れなかったんだよね……」


「……あ、あぁ」


「お婆さん……ロボットだったよね」


「……」


答えられない蓮。


あんな人間みたいなロボットなんて、存在するのか……?


「答えてよ、蓮君」


「いや……」


「答えてよ!」


突然叫ぶ二葉。泣いている。状況が、よくわかっていない様子だ。蓮自身も、状況がわからない……


何で、家に入れなかったんだ……瞬き、してなかったんだ……


本当に、ゲームの世界なのか……でも、そう考えるのが、今は一番自然かもしれない。


もう、わけわかんねぇ……


「……やってやろうじゃねぇか」


蓮が突然立ち上がり、呟いた。


「え?」


「確かに二葉の言う通り、頭上に浮かぶHP……ガイコツ……浮いてるレンガ……さっきの、婆さん……どれを取っても、現実には存在しねぇ。ゲームの中って考えた方が、全部の辻褄が合うよな」
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