現実アクションゲーム
「そうだけど……」


「だったら、やってやろうじゃねぇか。ゲームなんだろ?じゃあ、必ずクリアがあるはずだ。違うか?」


「……え?」


「クリアすれば、問題ねぇ。違うかって聞いてんだよ」


「そうだと思うけど……」


「クリアしようぜ。そしたら、帰れるだろ。この際……どっちでもいい。ゲームの中だろうが、何でもいい。ここに拉致られたことも、今更後悔しててもしょうがねぇ。もう、行くしかねぇ」


「……」


二葉はしばらく沈黙した後、小さく頷いた。


「そうだね……ここに居ても、帰れないもんね……」


二葉も立ち上がると、蓮を見てグッと拳を握った。


「行くぞ」


蓮の言葉に二葉は強く頷くと、二人は歩き出した。


「確か、あの婆さん……山を越えたら、なんとか城があるって言ってたよな」


蓮が二葉に確認する。確かに、ここから小さく山があるのが見える。多分、あの山のことだろう。


相当遠い……今日中に、着けるかどうか……


「蓮君」


そんなことを考えてると、二葉が口を開いた。
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