現実アクションゲーム
「さっき、二葉さんが踏んだ地雷……毒だったんだ……」


「そんなこと聞いてねぇよ!毒って何だって聞いてんだよ!」


苛々しながら守に怒鳴る蓮。


まさか、死んだりしないよな……!


後ろから、直樹が口を開いた。


「HPが、定期的に1ずつ減っていくんだ。ほっといたら、死んじまう」


「どうすりゃいい!」


慌てて後ろを振り返り、直樹に言う蓮。


「慌てんな。情報収集のときに聞いたんだが、頂上に、毒消し草があるらしい。それを飲ませれば、大丈夫だ。早く行こう」


直樹の言葉に、少し安心する蓮。


ピッ……


そのとき、二葉のHPがまた1減った。


「急ごう」


守はそう呟くと、再び足を動かした。それに続く一同。


「……」


無言で登る一同。今の状況に、二葉が一番焦っているはずだ。


しかし、その様子を表には出さない二葉。


まだ、頂上があんなに高い……間に合うのか……


そんなことを考えていると、第二の悲劇がきた。


予想していたことが、起こってしまった。


「ハァ、ハァ……」


全員の呼吸が荒れてくる。


だいぶ地上から離れ、現在の高さはビルの4階程度だろう。


落ちれば、骨折は必至だ。


その恐怖から、足がガクガクと震え出す一同。
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