現実アクションゲーム
ガシャッ……


渚が足を滑らせ、体半分が足場から落ちてしまった。


「いやぁああ!」


悲鳴を上げ、左手で足場を、右手を直樹のズボンの裾をつかむ渚。


「助けて!いや!いやぁあ!死にたくない!」


発狂したように叫ぶ渚。


そのときだった。


「うわぁあ!」


直樹が慌てて、渚がつかんだ裾をブンブンと振り払った。


その衝撃に、渚は裾を離してしまうと同時に、足場からも手を離してしまった……


「きゃぁあああ!」


勢いよく落下する渚。


ギュッと目を瞑る一同。


見ていられない……


ドシャッ……


下の方で、渚が落ちた音がする。


その音に、全員が恐怖した。


「おい、直樹……」


震えた声で、蓮が呟く。


「いや、違う!落としたんじゃねぇ!」


首を振り、必死に否定する直樹。


「ああしねぇと、俺まで引きずられて落ちてた!そうだろ!」


言われてみればそうだが、その行動に驚いた。


直樹が、まさかあの局面で足を振るなんて……
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