現実アクションゲーム
「何だよお前ら、冷たい目で見やがって!今のは、誰でもとっさにああしたはずだ!違うかよ!」


直樹が叫ぶ。確かに言われてみれば、振りほどかずに一緒に落ちていく自信はない。


でも、普通の人間なら、足を振る勇気もないはずだ。


自分が殺したような気分になって、とてもできない。


蓮でさえ、健二が落ちたときはとっさに手を差し伸べようとした。


こいつ……まさか……偽善者……?


疑う心は残るものの、今はそんなことを言っている場合ではなかった。早く登ることが、先決だ。


守は再び足を動かせると、蓮、二葉、直樹はゆっくりと続いた。


さっきの渚が頭に残り、とても怯えずにはいられない一同。


落ちたら、死ぬ……死ぬ……死ぬ……!


「フー、フー……」


高くなるにつれ、どんどん呼吸が荒くなる。


下を見ると、地上がグラっと歪んで見える。


ダメだ……気が気じゃない……


二葉のHPを見る蓮。


さっきからあまり進んでないのに、HP28。減る速度が、速くなっている気がする。


そのとき、第三の悲劇が起こった……


ガシャ……ガシャ……


前方から、何やら音がする。足音のような、そんな音。


誰かが、降りてくる……


「うわあああ!」


先頭に居る守が、その姿に一番に気づいた。慌てて、剣を抜く守。


その様子に怯え、とっさに蓮も剣を抜く。


「何だよ!どうしたんだ!」


蓮が守に叫ぶ。


そのとき、蓮の瞳にも映った。


守の目の前に、ガイコツがいる……
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