現実アクションゲーム
「脱出したければ……このとから、二人てください?」


聞こえたアナウンスを、オウム返しする二葉。


「おい、聞こえなかったよ!もう一度言えよ!」


蓮が怒鳴る。


「脱出したければ、この土地から、二人殺してください」


直樹がボソッと言った。


「……え?」


ゆっくりと直樹を見る蓮と二葉。


「確かに……そう聞こえた」


そう呟きながら目を鋭く見開いて、剣を抜く直樹。


「ちょ、ちょっと待てよ!そんな風には聞こえなかったぞ!」


蓮が直樹に怒鳴る。


「俺は耳がいい方でな……悪いが、はっきり聞こえた。それ以外に何て言ったんだよ!」


狂ったように叫ぶ直樹。


「落ち着けって!冷静に考えろ!」


必至に制しようとする蓮。


「落ち着いてられるかよ!時間が経てば経つほど、体力は消耗されていく。あっという間に、干からびちまう!俺はお前ら二人を殺して、ここから出て生き残る!」


「何て奴だよ……さっきまでは仲間だとか言ってたじゃねぇか……」


蓮が呟く。


「待ってよ、直樹君!他にも脱出の方法があるかもしれないじゃない」


「うるせぇ!元はと言えばお前のせいだぞ、二葉!」


二葉に剣先を向け、叫ぶ直樹。
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