現実アクションゲーム
「間違ってる!お前こそ間違ってるぞ、二葉!」


その蓮の言葉に、二葉の手が止まる。


「間違ってないよ。私がこうすることによって、今、争いが止まってるじゃない」


ニコッと笑って二葉が言う。


直樹の方を見ると、落ち着き払っている。


「間違ってるって言ってんだろ!二人死ななきゃいけないんだぞ!お前が死んだところで、その後また俺と直樹が殺し合うだけだろうが!」


「二葉、約束しよう」


そのとき突然、直樹がそう口を開く。


「……約束って?」


二葉が直樹に聞く。


「もし今死んでくれれば、俺と蓮は話し合いでここから脱出する」


「おい、直樹!見え見えなんだよ!嘘ついてんじゃねぇ!お前は二葉に早く死んでもらいたいだけだろうが!」


「……約束だよ、直樹君」


「おい、二葉!バカみてぇに騙されてんじゃねぇよ!気休めもいいとこだろうが!」


蓮の叫びは届かず、再び二葉は剣を動かした。


「おい、やめてくれよ……頼むから、やめてくれよ!」


思わず涙が溢れてしまう蓮。どうしていいかわからない。


「好きなんだ!」


その蓮の叫びに、二葉の手が止まる。直樹も驚いている様子だ。


「え?」


首を傾げて、蓮の方を見る二葉。


「好きだ。だから、死なせない」


二葉から目を反らさず、蓮が言う。
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