現実アクションゲーム
「おいおい、蓮、お前な……」


「わかった、こうしよう!」


直樹の言葉を掻き消しながら蓮がそう叫ぶ。


「俺に一度だけ……チャンスをくれないか、直樹?」


「は?何だよ、チャンスって?」


「試したいことがある。もしそれで脱出できなかったら……俺と二葉が自殺する。どうだ?」


「はぁ?」


「頼む、承諾してくれ。俺は武道有段者だ。HP40とは言え、本気を出せばお前くらいどうとでもなる」


「武道有段者……?」


「いい条件じゃねぇか。脱出に失敗したら、自殺してやるって言ってんだ」


「嘘言ってんじゃねぇ。何が有段者だ」


「じゃあ試しに殴り合いでもしてみるか?」


「くっ……」


直樹は少し考えると、しぶしぶ首を縦に振って言った。


「いいだろう。そのかわり、三人全員で脱出できること。それ以外は、失敗と判断して自殺してもらう」


「ありがとう、直樹。剣をしまえ、二葉」


その蓮の言葉に、剣をしまう二葉。とりあえず安堵の息を漏らす蓮。


「で?蓮、どうするんだよ?」


直樹も剣をしまいながら聞く。


「ちょっと、二葉と二人っきりにしてくれ」


静かに言う蓮。


「は?何だ、二葉を説得してから俺を殺す気か?」


「そんなことしねぇよ。頼む、直樹。そのかわり、三人全員で脱出できる」
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