現実アクションゲーム
「だから、どうやってだよ?」


「そのためにも、まずは直樹、お前が隣の部屋に一人で移ってくれ」


「だから、何でだよ!」


「ここから出たくねぇのかよ!」


その蓮の怒鳴り声に、しぶしぶ隣の部屋へ移動する直樹。


直樹が移動すると、部屋には二葉と蓮だけがポツンと残った。


「で……蓮君、どうやって脱出するの?」


「そんなこと、わかるわけないだろ」


その蓮の呟きに、驚く二葉。


「じゃあ……どうするのよ?」


「待って、今考えてる」


「何よ、それ……」


「仕方ないだろ。あの状況をどうにかするには、ああ言うしかなかったんだ」


蓮の言葉の後、しばらく重い沈黙が走る。


すぐにどうにか脱出しなければ、自殺しなければならない……


この部屋は、両壁にトビラが一枚ずつ。


どっちに入っても同じような部屋が広がり、一定の方向に進み続けても結局は元の位置に戻ってきてしまう。


天井を見上げても、隠し通路のようなモノはない。


おそらくは、あのアナウンスの条件をクリアしないことには、脱出は不可能……


考えていても仕方が無い。そう思った蓮は、部屋中を触ったり、地面を叩いたり、動き始めてみた。


しかし、やはり脱出の手掛かりになりそうなモノはない。それでも懸命に手段を探す蓮。


もしかしたら、どこか別の部屋に手掛かりがあるのか……?
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