現実アクションゲーム
ガタン!


「えっ……」


思わず、蓮の口から声が漏れる。


マジかよ……マジかよ……マジかよ!


吊り橋が、音を立てて崩れ始めた……


「うわぁあ!」


「きゃぁあ!」


同時に声を漏らす二人。


二葉は慌てて手すりをつかんだが、蓮は一足遅れてしまった。


「何でだよ!落ちるはずねぇだろうが!」


現実を受け入れられない蓮。


死ぬ……。


そう思った瞬間、二葉の右手が蓮の右手をつかんだ。


吊り橋は渡ってきた地点のツタがブツッと切れて、二人は振られながら城の下の絶壁へと叩きつけられた。


「ぐっ……」


その衝撃に、グッと耐える二人。


「大丈夫か、二葉!」


と、二葉を見上げる蓮。


二葉は歯をくいしばっていて、蓮の手をつかんでいるのでやっとのようだった。


「おい、二葉!」


声を掛ける蓮。


とりあえず、俺も手すりを持たないと、二葉が……!


慌てて手すりをつかもうとする蓮。そのとき、気づいた。


「あれ……」


手すりが、二葉のところで無くなっている。


二葉も、足場を左手でグッとつかんでいた。


蓮のところには、つかめる足場さえない。


「何でだよ……スタート地点から崩れたはずだろうが……」


泣きそうになる蓮。
< 67 / 132 >

この作品をシェア

pagetop