現実アクションゲーム
蓮と一緒だ。蓮はつかんだ胸ぐらを離すと、再び辺りを見渡した。


緑の砂漠にポツンと人が数百人いる……ただ、それだけだった。


「兄ちゃん、名前は?」


「上城蓮だ」


ピアスの男に目もくれず、無愛想に答える蓮。


「そうか。俺ぁ、健二ってんだ。どうやらここにいる全員、そんな感じなんだよ」


「は?そんな感じってなんだよ?」


「目が覚めたら、ここに居た。どこなんだろうな」


「俺が知るかよ」


蓮がボソッと言ったとき、上空からアナウンスのような声が聞こえた。


『お集まりのみなさん。では、今から開始します。せいぜい、頑張ってください』


その声に、全員の視線が空にいった。


「ふざけんな、どこだよ、ここ!」


「遊んでる暇ねぇんだよ、バイトに遅刻するだろうが!」


色々なところから上空へ罵声が飛ぶ。


よく見ると、全員の頭上には『100』と言う数字が浮いていて、帯剣していた。蓮と同じだ。


「おい、聞いてんのか!」


誰の声にも、アナウンスは反応しなかった。


それにしても、アナウンスはどこから流れたんだ……スピーカーのようなものは、見当たらない。


そのとき、蓮の目に、遠くに立っている一人の男が目に留まった。
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