現実アクションゲーム
「その湖の中に、神殿がある。そこに、俺の仲間が捕らわれてしまった。だから、これから助けに行く。そのタバコは、吸うだけで水中でも呼吸ができる。おまけに、会話もだ。わかったら、早くしろ」


「……事情はわかった。でも、何で俺がお前の仲間を助けに行かなくちゃなんねぇんだよ?」


「お前……腕が立つな?」


「……何でだよ?」


「見ただけでわかる」


「……」


蓮はしばらく呆然とすると、拓馬から受け取ったタバコをポイッと捨てた。


「悪いな。助けてやりてぇけど、俺だって城の近くに仲間を置いてきたんだよ。すぐに助けに行かねぇとなんねぇ」


蓮は拓馬にそう言うと、岸を歩き出した。


遠くの方に、緑色が見える。おそらく、草原へと続いているのだろう。あそこからまた山を探せば、再び城の元へと辿り着けるかもしれない。


「橋は落ちただろ。どうやって城まで行くんだ?」


蓮の背中に、拓馬が呼び掛ける。


「……さぁな。行ってから考える」


足を止めず、歩きながら大きな声で答える蓮。


疲労が溜まっているせいで、足がおぼつかない。


「俺に協力すれば、城へ行く方法を教えてやる」


その拓馬の言葉に、蓮は足を止めて振り返った。
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