現実アクションゲーム
「おい、蓮。本気で来い。お前の仲間が城にいるんだろう?早く行かなくていいのか?」


その拓馬の言葉にハッとなる蓮。


そうだった。二葉が、城にいるんだった……


「拓馬、後悔するなよ!」


カッと目を開いた蓮は、鋭く拓馬に切りかかった。


キン!キン!


「くそっ!」


どういうことか、蓮の剣をあっさりと防御する拓馬。


蓮は合気道で、木刀の訓練はしていた。剣道まではいかないだろうが、並大抵の強さではないはずだ。


それなのに拓馬の余裕の表情。まるで、赤子と遊んでいるようだった。


ザン!


「……え?」


何が起こったのか、激しい音と共に、拓馬が剣を腰にしまった。唖然とする蓮。


「おい、拓馬?何やってんだよ?」


「終わった」


ボソッと一言だけ言うと、再び蓮にタバコを差し出す拓馬。


「ふざけんな、剣を抜けよ!」


構える蓮。


「上を見ろ」


その拓馬の言葉に、頭上を見る蓮。HPが、1になっている。


「え……」


切られたのか……俺……?
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