現実アクションゲーム
「失せろ。目障りだ」


その眼帯の男の言葉に、モヒカン男の表情が変わった。


「テメェ、誰に口きいてんだ!」


モヒカン男は腰から剣を抜くと、眼帯の男に切りかかった。


「おい、やめろ、お前!」


健二がモヒカン男に言う。


ザン!


しかしその声は遅く、モヒカン男の剣は眼帯の男の肩からわき腹を切り裂いた。


「おい!」


思わず、蓮も叫ぶ。何てことしやがる、こいつ……


「死ねよ、ホームレス!」


モヒカン男が叫ぶ。


確かに、切った。しかし血は出ず、眼帯の男は平気で立っている。


「は?」


モヒカン男が不思議そうに声を漏らしたその瞬間、金属がこすれ合うような音と共に、眼帯の男の頭上の数字が90になった。


その瞬間、眼帯の男の表情も変わる。まるで、鬼だ。


ザン!


一瞬、何が起こったのかわからなかった。


眼帯の男はモヒカン男を切ると、モヒカン男はその場にうつ伏せに倒れて動かなくなった。


「……え?」


健二が倒れたモヒカン男を仰向けにする。


モヒカン男は、白目を剥いて息をしていなかった。


まるで、死んでいる。


「え……え?」


何が起こったのかわからない蓮と健二。
< 9 / 132 >

この作品をシェア

pagetop