現実アクションゲーム
「構わない。だが、覚えておけ。俺は死に、攻略本のあるお前だけが助かる」


そういうと、早速一つ目のブロックに跳び乗る拓馬。


「わかったよ、やればいいんだろうが!」


まるで反抗期の中学生のような気分だった。もうどうでもいい気持ちになっていた。


蓮は拓馬の乗っているブロックに跳び乗ると、すぐに追い越してその先のブロックへと移った。


「おい、落ち着け蓮。ヤケになるな。勘で行くと死ぬぞ。今までやっていたようにやるんだ」


「わかってるよ、うるせぇな!」


とは言ったものの……実際、プレイヤーが直接指示してくれるわけではない。あくまで自分で考えて、行動する。


……そもそも、本当にプレイヤーなんているのかよ……


まだ、そんなことを考えていた。


ふと、天井に目がいく。だいぶ落ちてきている。本当に時間がなかった。


「くっ……」


慌ててポケットからタバコを取り出すと、次のブロックへと投げた。そのときだった。


ボワーッ


地面から吹き上がったマグマは、タバコを一瞬にして消し去った。


その光景にゾッとする蓮。もし、乗っているこのブロックに今のトラップが仕掛けられていたのなら……蓮は溶けていた。


こんな状況になっても、やはり死ぬのは怖くてたまらない。


「フー、フー」


呼吸が荒れてくる。次のブロックの前にはマグマが吹き上がるトラップがある。


斜め前方にも、乗れるブロックはあった。


だとしたら、そっちが正解か……
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