SHINE and STAR
“、、。”
アレイド「覚悟はできてるっつーワケだよな。いいぜ、」
アレイドが呟くも、バケモノが人語を解する筈もない。
────故に気づかない。
失敗など関係なく、ナメクジは狙い損ねた武器(触手)を一度引き戻し、同様の第二撃への準備を始める。
……知能の乏しさ、即ち単純。第二撃は学習も工夫も備わっていない、まるで変化のない繰り返し。
────故に気づけない。
アレイド「キレイに消してやる」
それら呟きが、最後通告であった事に。
“────!”
躊躇するなどという知能はある筈もなく、低脳なナメクジによる繰り返しは時を待たずして実行される。
だがそれより早く、さらに速く、アレイドは行動する。
アレイド「────」
右手を左手の方へ、重心も左へ。
力を溜める素振りで組まれる体勢は魔物の攻撃に対するアレイドの反撃姿勢。
一つ不思議な点を挙げるとすれば、抱えていた少年はアレイドの傍らに居て、アレイドの右手には握られる刃、先程までなかった筈の銀色の剣が携えられていた事。
触手がアレイド、否、少年を狙って迫る────今度は回避行動などしない。
右手が動く。刃が迸る。
縦に切り込む触手の軌道に、横に薙ぐ剣の軌道が同時に衝突した。
触手は、中空で崩潰する。
“!?”
低脳でも驚嘆は実に率直だ。
そもそも自己に送った『攻撃』という単一の命令が妨害、そして継続不能となれば単純回路も支障を来すのが当然。
足らぬ脳なりに立ち回り、『攻撃』が出来ないのであれば次の、別の命令を送らねばならないが……その必要はない。
躊躇を知らぬは生の否定。
運命は二度目の『攻撃』の時点で終結している。
────やはり気づけない。
少年の側にあった姿がまた紅い影となって接近している事も、そもそもその姿は視覚不可能な事も、銀光が直線軌道で迫る事にも。
アレイド「ふ────」
一息。ほんの一息。
アレイドは水平に剣を流し、頑丈であった筈の魔物を一瞬にしてキレイにスライスした。
断末魔(斬撃音)などない。
鳴く余裕があったなら果てる事などなかった。僅かな猶予さえ許さぬその厳粛さ故、魔物の死は必然だったのである。
アレイド「覚悟はできてるっつーワケだよな。いいぜ、」
アレイドが呟くも、バケモノが人語を解する筈もない。
────故に気づかない。
失敗など関係なく、ナメクジは狙い損ねた武器(触手)を一度引き戻し、同様の第二撃への準備を始める。
……知能の乏しさ、即ち単純。第二撃は学習も工夫も備わっていない、まるで変化のない繰り返し。
────故に気づけない。
アレイド「キレイに消してやる」
それら呟きが、最後通告であった事に。
“────!”
躊躇するなどという知能はある筈もなく、低脳なナメクジによる繰り返しは時を待たずして実行される。
だがそれより早く、さらに速く、アレイドは行動する。
アレイド「────」
右手を左手の方へ、重心も左へ。
力を溜める素振りで組まれる体勢は魔物の攻撃に対するアレイドの反撃姿勢。
一つ不思議な点を挙げるとすれば、抱えていた少年はアレイドの傍らに居て、アレイドの右手には握られる刃、先程までなかった筈の銀色の剣が携えられていた事。
触手がアレイド、否、少年を狙って迫る────今度は回避行動などしない。
右手が動く。刃が迸る。
縦に切り込む触手の軌道に、横に薙ぐ剣の軌道が同時に衝突した。
触手は、中空で崩潰する。
“!?”
低脳でも驚嘆は実に率直だ。
そもそも自己に送った『攻撃』という単一の命令が妨害、そして継続不能となれば単純回路も支障を来すのが当然。
足らぬ脳なりに立ち回り、『攻撃』が出来ないのであれば次の、別の命令を送らねばならないが……その必要はない。
躊躇を知らぬは生の否定。
運命は二度目の『攻撃』の時点で終結している。
────やはり気づけない。
少年の側にあった姿がまた紅い影となって接近している事も、そもそもその姿は視覚不可能な事も、銀光が直線軌道で迫る事にも。
アレイド「ふ────」
一息。ほんの一息。
アレイドは水平に剣を流し、頑丈であった筈の魔物を一瞬にしてキレイにスライスした。
断末魔(斬撃音)などない。
鳴く余裕があったなら果てる事などなかった。僅かな猶予さえ許さぬその厳粛さ故、魔物の死は必然だったのである。