SHINE and STAR
アレイド「ハ、」
それが何の障害になるだろう。
アレイドは前方から迫る触手に対して真っ向正面へ踏み込む。
もちろん衝突するつもりなどなく、寸分の差、すれ違う形で巧く触手を避わしてみせる。
しかし剣は主に従えず鋭く牙を剥いたまま触手を迎い受け────伸ばされた手は見事にエモノへ到達し────噛み付き、引き千切り、触手は両断されていった。
驚くべきは恐れ知らずの踏み込み。
僅かな動作は単に前方の攻撃をやり過ごすだけに終わらず、座標をズレさせることで左右の触手の軌道からまでも外れてみせた。……またも寸分の差で。
真っ直ぐに伸びる、いや、真っ直ぐにしか伸ばせない触手は獲物が動いた時点で無能となったのだ。
そう。
三撃が同時ならば、三本の軌道から外れるだけ、つまり一度の回避運動で事が済む。一撃ずつ違った座標へ攻撃されるよりは遥かに簡単だったのだ。
────紅にとっては。
アレイド「軽いな────」
低い重心から踏み込んだことでさらに低くなるアレイドの体制、その背中を過ぎ行く二本。
少し間違えば直撃だった触手などアレイドは見向きもせず、一本を切り裂いた状態から両腕のみを動かして交差させる。
右手には変わらず剣を。
左手には、魔を討つべき魔法の源を持って────
アレイド「もう少し────」
ぐるん。
銀の刃が半円を象って踊る。
連れ添う紅い影が舞踊を彩る。
……一体どんな身体をしているのか。
アレイドは斬撃の反動で“弾けたように”跳ね上がり、体制を維持したまま身体を回転させた。
しかして、体芯を軸とした鮮やかな回転は刃を伴って等身大の凶器となる。
アレイド「手応えは────」
右手、剣が展がり、凶器は斬撃となって切断する。
何を?────無論、寸分の差で回避した攻撃を。
アレイド「────ないもんかね!」
左手、剣の後を追う魔法の源────カードが赤く光る。踊る。熱気を宿す。
翻る紅い外套に連なるか、巻き起こる熱気は色を濃く、確かなモノとして具現化し────果てを火炎とする!
それが何の障害になるだろう。
アレイドは前方から迫る触手に対して真っ向正面へ踏み込む。
もちろん衝突するつもりなどなく、寸分の差、すれ違う形で巧く触手を避わしてみせる。
しかし剣は主に従えず鋭く牙を剥いたまま触手を迎い受け────伸ばされた手は見事にエモノへ到達し────噛み付き、引き千切り、触手は両断されていった。
驚くべきは恐れ知らずの踏み込み。
僅かな動作は単に前方の攻撃をやり過ごすだけに終わらず、座標をズレさせることで左右の触手の軌道からまでも外れてみせた。……またも寸分の差で。
真っ直ぐに伸びる、いや、真っ直ぐにしか伸ばせない触手は獲物が動いた時点で無能となったのだ。
そう。
三撃が同時ならば、三本の軌道から外れるだけ、つまり一度の回避運動で事が済む。一撃ずつ違った座標へ攻撃されるよりは遥かに簡単だったのだ。
────紅にとっては。
アレイド「軽いな────」
低い重心から踏み込んだことでさらに低くなるアレイドの体制、その背中を過ぎ行く二本。
少し間違えば直撃だった触手などアレイドは見向きもせず、一本を切り裂いた状態から両腕のみを動かして交差させる。
右手には変わらず剣を。
左手には、魔を討つべき魔法の源を持って────
アレイド「もう少し────」
ぐるん。
銀の刃が半円を象って踊る。
連れ添う紅い影が舞踊を彩る。
……一体どんな身体をしているのか。
アレイドは斬撃の反動で“弾けたように”跳ね上がり、体制を維持したまま身体を回転させた。
しかして、体芯を軸とした鮮やかな回転は刃を伴って等身大の凶器となる。
アレイド「手応えは────」
右手、剣が展がり、凶器は斬撃となって切断する。
何を?────無論、寸分の差で回避した攻撃を。
アレイド「────ないもんかね!」
左手、剣の後を追う魔法の源────カードが赤く光る。踊る。熱気を宿す。
翻る紅い外套に連なるか、巻き起こる熱気は色を濃く、確かなモノとして具現化し────果てを火炎とする!