SHINE and STAR
───────
息を上がらせながらも走った。
見返す為に、ではなく、認めてもらうことを望んで。
天は太陽を隠していたが、彼の気分は本晴れであった。
そして昂ぶる気持ちに押され、思いがけず早く到着。
期待で胸を膨らませながら、勢いよく扉を開け────
アレイド「おーい、親、父……」
ざく。
黒い雲から、大地へ雷が突き刺さる音。まるで天罰が下るような凄惨な光。
いや、音は二つだった。
アレイド「え───────」
途端、時雨が一斉に降り注ぐ。
ばらばらと地を打つ不規則なリズムが、その情景の雑音(ノイズ)となって逆に虚無感を引き立てていく。
むしろ、無音だ。この場に音など必要なかったらしい。
「───────」
奥に開けられた窓が光る。
扉の内側からは────一人、二人の人影が伸びていた。
一人の影は縦に長く。
一人の影は横に長く。
静寂に住み着くそれはひどく不気味で、何か、彼のココロを壊す存在だったかもしれない。