SHINE and STAR
アレイド「あ」

それでも死にたくないのだろう。
俺の身体は防衛本能がフル稼働し、最悪な事態は免れようと跳ねた。

“─、───、!”

その、鳴き声なのか荒息なのかも分からない音が、“死”という実感を際立てる。
異形は遠慮などしない。ヤツにそんな容赦があるとは思えない。
止まらずに何度も何度も迫り来る。
その度に、
避けて、
転んで、
怪我をして、
血を流して。

……これ以上はダメだ。
やっぱり、殺される。

アレイド「は、……っは」


俺はここで、死ぬ────?


イヤだ。
そんなのイヤだ。
こんなワケの分からないモノに殺されるなんて、御免だ。

奥歯に力を込め、顔を上げてヤツを睨み付ける。
変わらず、ヤツは鈍い獣じみた行動を続けている。狩りを楽しんでいるのか、それはムダだらけだ。

アレイド「……やってやる……お前なんか、お前なんか!」

眼が血走るのを自覚した。
肉が疼くのを認知した。
俺の中でスイッチが入ったのだと錯覚した。

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