SHINE and STAR
「────っと、いかん、こらー! 待たんかー!」
追走者は再動する。
逃走劇はやはり終わらな────い?
途端。
がらがら、と城の一部が墜ちた。
衝撃音は悲鳴に等しい。
頑丈である、頑丈でなければならない城が崩れたのだ。
その事実は尋常でない。
「こ、これは……!?」
「フィルさん、どうしましょう……!?」
兵士たちが一人の名前を挙げる。その人物は正に先程の追走者。名を、フィルという。
彼は兵士たちの統率者、代表といった立場を受け持ち、その声の低さと釣り合わず、年齢は20代前半の若者。他の兵士たちと何ら変わりのない青年である。
フィル「無論、行くしかないだろう。王様のご無事を確かめねば」
「はい! お供致します!」
それでいて多大な信頼を寄せられるフィル。それはそれ相応の力を持つことができるからだ。
「────っ、」
気合の入る勇敢な兵士に対し、傍らの暗い瞳はいっそう影を落として表情をまた曇り模様に変えた。……いや、元より曇天だった筈なのだが。
その矢先、少女は素早く踵を返した。
フィル「あっ、姫様! 一人で行くのは危険です、せめて私たちと一緒に……!」
追走者は再動する。
逃走劇はやはり終わらな────い?
途端。
がらがら、と城の一部が墜ちた。
衝撃音は悲鳴に等しい。
頑丈である、頑丈でなければならない城が崩れたのだ。
その事実は尋常でない。
「こ、これは……!?」
「フィルさん、どうしましょう……!?」
兵士たちが一人の名前を挙げる。その人物は正に先程の追走者。名を、フィルという。
彼は兵士たちの統率者、代表といった立場を受け持ち、その声の低さと釣り合わず、年齢は20代前半の若者。他の兵士たちと何ら変わりのない青年である。
フィル「無論、行くしかないだろう。王様のご無事を確かめねば」
「はい! お供致します!」
それでいて多大な信頼を寄せられるフィル。それはそれ相応の力を持つことができるからだ。
「────っ、」
気合の入る勇敢な兵士に対し、傍らの暗い瞳はいっそう影を落として表情をまた曇り模様に変えた。……いや、元より曇天だった筈なのだが。
その矢先、少女は素早く踵を返した。
フィル「あっ、姫様! 一人で行くのは危険です、せめて私たちと一緒に……!」