SHINE and STAR
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赤、青、黄、緑、白。
色と光の三原色+αが勢揃い。
この基本色は、魔法の根本的な区分として構成されているらしい。
つまり魔法は大まかに言って5種類あるという事だ。

アレイド「赤と言えば情熱の赤、情熱と言えば炎……つまり『赤』の魔法は火を操る事が出来るんだな。とりゃっ」

アレイドが赤いカードを振る。
ぼっ、と空中で炎が上がる。そしてすぐ消える。

スレッド「おお、これぞ正に……奇術? む、どことなく手品にも近い?」

お父様は“これなら手品でも可能だ”と言いたいのかもしれない。
失礼な話だけど、確かにいつかの手品師が同じような発火を見せてくれた事が記憶にある。
今のような発火では、手品と大差ない。

アレイド「んーまぁ、これくらいじゃ驚かねぇよな。じゃあ、これなら?」

魔法は手品ではない。
それを証明せんと、アレイドはまたカードを振った。
赤く揺らめく今度の炎は横に流れるように燃え、またすぐに消え────ない。炎は発火媒体なくして中空で盛り続けるのだった。

……それだけでも十分に不思議なのだけど、アレイドはさらにカードを振る。
すると炎は生命を持ったように、縦に振れば縦、横に振れば横にと動き、ぐるりと回せばぐるりと回るのだった。
火を操る、とはこの通りだ。

アレイド「これで少しは魔法っぽくなったか? んじゃ〆に、」

炎が一点に向かって集合していき、やがて凝縮したかと思えば……それはクラッカーのように愉快に弾けた。花火、とも言える。

スレッド「ふむ! 良い! 良いぞアレイド! これぞぎゃらくしー!」

コットン「無理な単語を使わないで下さい……恥ずかしい」

アレイド「魔法の場合、こーゆー事は全部使うヤツのイメージ次第なんだ。火がどんな風に動くかよーくイメージしてカードを使わねぇと失敗しちまう。実は、魔法の本質とやらはココにあるんだな」

イメージする。それが魔法を使うための条件であり、前提であるという事かな。
その点ではいかにも魔法らしい。
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