SHINE and STAR
ちちんぷいぷい、魔法が使えるようになーれ。……なりません。

アレイドの魔法講座、魔法の原理についての講義が終わると、早速みんなは魔法を使ってみようと挑戦……奮闘した。
その実、魔法の原理をよく理解できなかった私たちは魔法と闘うコトになったのである。

コットン「む~~~」

今まで何を見ていたのか、お母様は置いてあるカードに向けてハンドパワーを送っていた。
カードを触らずに、だよ。明らかにアレイドの場合と違いますよ。

フィル「ふんっ、はっ、とおっ!」

なぜか拳法ばりの闘拳を繰り出しすフィル。その手にはカードが握られているので、やはり魔法を使おうとしているのは確か。
でも決定的に間違っているのはさらに明らかなのです。

スレッド「まほー! まほー!」

お父様……魔法、魔法、と叫んでも魔法はできません。

ごめんなさいアレイド。
頑張ってはいるんです。努力もしているんです。でも私たちは魔法使いになれません。

アミティ「精神力の転換……よくイメージする事が重要……」

ところが、アミティだけは取り組む雰囲気が違った。
色々と忙しかった先の三人とは対照的に、目を閉じて沈着冷静に思考を働かせている。行動するよりまず考えろ、というコトなのだろうか。

しかもその瞬間、
アミティの目の前に不自然な発火が起きた。
もちろん、それが赤の魔法である事は疑いようがない。

アミティ「はは、成功してしまいました」

アレイド「おおっと! やたら飲み込みが早いな。他の様子を見る限りもっと時間掛かると思ったけど」

先生も驚きの優等生ぶり。
そう、アミティは(潮)笑いながら私たちを突き放したのだった!

コットン「む」

フィル「むむ」

スレッド「むむむ」

怒メーター激しく上昇中……。
図らずも、アミティはみんなの闘争心に点火してしまったのである。
……いや、うん。いい傾向なのだけど。
みんな優等生を模倣して続々と黙り込み、精神統一やら何やらで強烈なオーラを放ち始める。

────曰く、闘争心とは本来の力を呼び覚ます引金となるのだとか。

瞬きする暇も与えない。
三つの炎は今、闘魂と歓喜を込めて燃え上がったのだった……!

「「「成功!」」」

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