SHINE and STAR
いざ、カード片手に静かにイメージを形成────

フィル「燃える、燃えるー!」

コットン「ああ、私もこれにて魔法“少女”になれたのですね」

スレッド「燃え盛れ闘魂! 蘇れ青春! 私は今絶頂期を迎えているー!」

だがしかし。
それは妨害作業なのかと疑いたくなる、聞いていて恥ずかしくなるような発言が否応もなく私の耳へと侵入してくる。発火音もどんどんばんばん鳴らして下さる。
無論、そうなると私は、

シルク「……集中できない」

アレイド「大丈夫だ。精神力を使いすぎるっつーコトは、いずれ疲労感が溜って、」

コットン「……はて。何故か身体が重いのですが」

アレイド「身体も重くなっちまって、」

スレッド「いかん。もう駄目だ」

アレイド「ま、頭がぼーっとして眠くなるだろ」

フィル「おやすみなさい。ばたり」

精神力の浪費、即ち疲労の蓄積。
三人はアレイドに合わせてリアルタイムに沈んでいく。殊勝な優等生・アミティはちゃっかり無事だったけど。

シルク「……うーん。で、では、改めて」

とりあえず雑念が取り除かれた事により、私の想像はよりクリアになってくれる。
視界を閉ざし、神経を研ぎ澄ませていくと────水の清新なる細流、乱反射する数多の光輝などが鮮明にイメージできた。

アレイド「────さすがサラブレッドっつーか」

シルク「ぁ……れれ」

ゆっくり視界を取り戻してまず驚く。
目の前には、中空で躍る川のような水。きらきらと光を反射しながら揺らめく水。
それは間違いなく、私が思い浮かべた水のイメージそのものなのである。

シルク「でき、てる」

成功だ!
気を緩めたからか途端に水は消えてしまったものの、この時初めて私は魔法に成功したのだ。私も魔法使いの仲間入りなのだ。
そう思うと、歓喜で身体の芯から震え上がるのがよく分かった。ぶるぶる。

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