SHINE and STAR
───────


別れ際、霞んで消えてしまいそうだった娘の身体を強く、力強く抱き締めた。
まるで存在を確かめているようだったのだが、そのときの娘の姿は既に輝かしい光に縁取られ、存在は明白すぎていた。

スレッド「味気ないものだ」

娘の変わり様を感じとったからか、私は何気なく言葉を漏らしていた。
同時に、我ながらふてくされた呟きだったと後悔する。自分が無理に押し通した事柄なのだ。今更何を言っても仕方ないのだと分かっている。のだが。

コットン「シルクがもっと別れを拒んでくれれば……と?」

そんな私の呟きを聞き逃さず、的確に見抜いてコットンは言う。

スレッド「む。そ、そんな事は、」

図星なので、否定するにも上手くはいかない。……いや、否定したところで相手は全く見透かしてしまうのだろうが。
ただそれ以上は何も言わず、彼女は軽くため息をついて寂しそうに色付き始めた。

コットン「行ってしまいましたね」

スレッド「────」

行ってしまった。
改めて実感する。
娘はついに、私たちから離れたのだと。

< 73 / 120 >

この作品をシェア

pagetop