SHINE and STAR
視線の先には……三人の姿。
そしてその中で、私たちの目には一際輝いて映る人物がいた。

スレッド「……見えるか?」

そう尋ねるより早く、コットンは“それ”に見入っていた。
遠目にでも明確に、その光輝は色褪せる事なく映ったようだ。

コットン「ええ────実によく、見えます」

一つ、宝物は何かと問われれば、私たちが挙げるものは共通する他になく。
けれどいくら愛情を注いでも輝けなかった“それ”は、宝物として自慢する事ができなかった。

宝石が輝けないのなら、それは単なる石。
星が輝けないのなら、それもまた単なる石。

だが、光はあった。

宝石が輝けるのは、星が輝けるのは、そこに光が存在したから。光を一身に授かったから、輝ける宝物となれた。

そう────娘こそ私たちの宝物。
宝石にも星にも成りきれず、全く輝きを放てなかった石。
しかし、『笑顔』という眩い輝きを取り戻せた黄金。

コットン「あれほどにも楽しそうに……あれほどにも嬉しそうに……笑っている」

コットンは今までの怒りを忘れ、また、今までにない感動にココロを打たれていた。
自然と口許が緩み、娘に返すように柔らかく微笑んだ。

スレッド「シルクの幸せは、シルク自身が決めるものだ。無理矢理なきっかけを作ったのは私だが、拒否はしなかった。シルクは自己の意識で道を選んだのだ。本人が欲する最大級の幸福を、何にも囚われない自由な手で掴んだのだ。
……それを見届けてやり、賛同してやれる事が親としての使命だと私は考える」

娘は光を見つけた。
娘は陽の当たる道を歩み出した。
……遅すぎた旅立ちであったが、娘を縛りつけていた“鎖”は自らの手で外された。
それは私たちにとって実に微笑ましい“はじまり”だったのだ。

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