ビギナーズ・アンラック
止まるも辟易
ジリリリリーー!!

定刻通りに働く目覚まし時計を皮きりに、朝の日差しが重い瞼に吸い込まれる

「…ゴクローサン…」

無造作に時計の頭を叩く

少し年季の入ったソレは、チンッと小気味良い挨拶で1日の仕事を終わらせる

これで1日が終わるなんて、まったくいい身分だ

いや、24時間も休まず時を刻んでるんだから働き者なのかもしれん

寝起きのダルさも手伝って、どうでもいいことに思考がとられる

メールが来ていたので、確認しようとして携帯を開く

――10時45分……

前言撤回
ウチの時計は怠け者のようである……

「遅刻だっ!!」

後で確認したら、メールは15件
着信も3件

全てクラスメイトの『涼』のもので
どれもモーニングコールだった

義理堅いのか意地なのか、授業中の時間も隠れながら起こそうとしてくれたらしい

まったく、すまんっ!
でも、メールじゃ普通、起きんだろう……
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