サクラ咲ケ

二人の時間


『HAPPYbirthday………ー』



今日はあたしと春の誕生日。
あたしの家で行われている二人そろっての誕生日会。



「あ、春。」
「ん?」
「後で部屋にきてね?」
「あぁ」



当たり前のような顔で返事をする春。



そりゃ、幼なじみだし…
毎年2人っきりになってからプレゼントを渡すから、慣れたのかもしれないけど……



あたしは、春と2人っきりってだけでドキドキなのに。



って、少し切なくなる。



「あ、綾プレゼント」
「ありがと、ゆぅくん♪」



ゆぅくんとは、《坂本祐介》のことであります。



春のお兄ちゃんです。



「綾、胸おっきくなったって聞いたから♪」



ゆぅくんがくれたのは…
そう、下着。



しかもスケスケのヒラヒラのキラキラ。



高3の男子が高1の女子にこんなものをプレゼントしてもいいんだろうか…?



「おい祐、んなもん綾に必要ねぇだろ」
「そ~だよ…ってえ!?」
「いらねぇだろ?」



意地悪そうに笑う春。



「いるもんっ!!ありがとねゆぅくん♪」



「いるのかっ!?」
「パパっ?!えと…普段に…」



普段にこんなスケスケでヒラヒラな下着なんかつけないよね。


「なんだ、そうか…」
安心したようなパパ。



あぁ、怖い怖い。




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