サクラ咲ケ
「…………誰?」
春が低い声でたずねる。
「ぇ!!綾ちゃん忘れたの!?」
「うん♪」
一瞬悲しそうな顔をしたこの男の子は誰だ?
「C組の健だよ。」
「あ、うん?」
で、なんの用?
基本あたしは春以外の男子が嫌いなのだ。
「ま、また、ねっ」
焦ってどこかに行く健くん。
あんな人と友達になった覚えがどこにもない。
「いくぞ」
「春、ごめんね」
春の顔を覗き込む。
すると、春の手があたしの耳に優しくふれた。
「ピアスつけてる」
「ぁ、うん♪」