メガネ男子に愛を捧ぐ
「ふふ、さあさあどうぞ召し上がれ!」
不気味な笑い声とともに、ずいと鼻先を掠めるほど前に突き出された物質X。
プスプスと食べ物らしからぬ黒煙を吐き出しながら、それは僕のレンズを暗褐色に染め上げていきます。
…何てこった。
(さっきメガネ拭いたばかりなのに。)
「え、っと……?」
むわんむわんと。
なんとも形容しがたい芳しい香りが鼻腔を擽るというか何というか、その前にとにかく無性に煙が目に染みる。