メガネ男子に愛を捧ぐ



「? いんちょー、食べないんですか?」

「あ、ああ……」



きょるんと小動物みたいな何かを思わせる視線を全身でひしひしと感じながら、一体全体どうやってこれを断ればいいのだろうかと必死に脳みそをフル稼働させる。


ていうか。

水谷さん、食物部だったんですね。


さすがに学級委員長なるものを務めていても、クラス全員の所属する部活動なんて覚えていられない─…というのが現状です。残念ながら。


ましてや、それが水谷さんとならば尚更のこと。

水谷さんに関する知識を蓄えるくらいなら、役に立ちそうにもない雑学をしことま頭に叩き込んだほうがましだって話です。



「いんちょー?」


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