愛す
nine.
――『あがって。』
このマンションに引っ越して来て、雷龍のメンバーを招きいれたのは初めて。
書類が机の上に積み重ねられているだけで後は散らかってない……はず。
玄関を上がって真っ直ぐ入った所にあるリビングに慎を案内し、招き入れた。
――『はい。』
コーヒーをソファーに座ってる慎に差し出しながら言った。
「さんきゅ。」
慎は何もコーヒーにいれずそのままのブラックで飲む。
こんな時間にコーヒーを差し出して良いのか迷ったが、あえてカフェインの入っているコーヒーにした。
――『…ご、ごめんねっ。
散らかってて…』
机の上に山積みになっている書類を整頓しながら言った。