愛す


『…少しじっとしていて下さい。』



コンビニの中に入り消毒液や絆創膏やらを籠に放り込みレジへと急いだ。



変な集団が居ない以上私も怪我人を放っておくほど冷酷な人間ではない。



『――消毒しといた方が良いですよ。』



会計を済ませ外で座っている彼の元へ駆け寄った。



「痛てぇ!!」



どうやら傷口に消毒液が染みるみたいだ。



『直ぐに終わるので我慢して下さい。』



神龍にいた頃、皆の手当てをしていたからある程度は慣れている。



それに佐々木家は祖父と父と代々医者一家。



ちなみに佐々木財閥が始まったのは祖父の代から。



医者のくせに会社も経営しているという何とも立派な人たち。



私も小さい頃は医者になりたいと本気で思っていた。



少しだけだが医学も学んだ。



まさか神龍でそれが役にたつとは思わなかったけど……




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