愛す
――それにしてもこの学校は汚い……
靴箱は落書きだらけだし。
「俺のことは葵で良いから。」
『あ、でも先輩のことは呼び捨てには……』
敬語という能力くらい私にも備わっている。
「ふっ」
突然、柳園先輩が笑いだした。
「俺、刹那ちゃんの先輩じゃないから。」
先輩じゃない?
『どういう意味ですか?』
「だから、俺刹那ちゃんと同じクラス。」
『えっ?』
同じクラスの人だったんだ……
雰囲気からして先輩だと思った…
「ってことで。じゃあまた後でね。」
っと…葵は私を校舎の2階に置いていき更に階段を上って上の階へと行ってしまった。