愛す
――後部座席のドアを開けようとしている私を慎はなぜか前にのせた。
「…家どこだ?」
車を学校方面へ走らせながらきいて来た慎。
慎を疑ってる訳じゃないけど、万が一マンションの場所が神龍や蛇の奴らにばれたら笑いことじゃない。
神龍の幹部たちは私と普通に接してくれるが、私のことを怨んでいる奴らも居るだろうから――
それに蛇の連中からも全く怨まれてないとも限らない。
――多分今の神龍の総長は血眼になって私を捜していると思う
おそらく蛇とも手を結んでいる。
――考えた末、家の近くの場所を慎に伝えた。