愛す
―――「…どこらへんだ?」
気が付けばもう私の家の近所だった。
――目の前にはあのコンビニがある。
『あそこのコンビニの前で良い。』
車の位置からも十分にマンションは見える。
「家の前まで送って行く。」
『良いよ。送ってくれてありがとう。』
そう言い残すと車から降りた。
「刹那!」
コンビニ方面へ向かって歩こうとすると慎に呼び止められた。
「…携帯」
『携帯?』
「貸せ。」
携帯貸せと言うことね…。
『はい。』
何もストラップのついてない携帯を慎に渡した。
慎は自分のポケットから自分の携帯を取り出した。
どうやら番号交換をしているみたいだ。